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日本のネコに野生猫のこころ 野生猫は何故胴体が長いのだろう? それは、体を縮めて延ばす時の弾力で動物が逃げるよりも素早く攻撃して仕留めるためなのです。 ライオンや虎よりも小さい分、胴体を長くしたのです。 さて、猫どうしには相性があるのです。 例えばわが家のブチくん、ひたすらくろを慕い、気がつけば寄り添って寝ているのです。 しかし、たまとちゃたろう、この2匹の関係は険悪だ。 たまがやたらちゃたろうにちょっかいを出し、その度にちゃたろうの毛は抜け、ストレスで目の周りは真っ赤です。 この相性を変えることはできないのだろうかと思案の毎日です。 「長靴をはいた猫」、皆さんよくご存知だろう。 では「耳にピアスをした猫」はどうだろうか。 わたしの地域にこの種の猫が何匹かいるらしい。 「猫を保護。 病院でピアスを取ってもらいました。 虐待かと思っていたら、『地域猫』の印だそうです」。 隣人のSさんからメモが届いた。 地域猫とは保護したのら猫を避妊去勢し、飼い親が見つからない場合は、避妊の印にピアスをするのです。 「名前はミク。 抱いたら、ジャケット越しに、体温が伝わったの」。 Aさんは長年連れ添った愛犬を失くし、傷心の日々を送っていたのですが。 ピアス猫が彼女の凍った心を溶かしたらしいのだ。 だが、まさか、そのピアスが彼女の心をぐっとつかもうとは思いもしませんでした。 わが家のたま、彼は5番目に来た猫で、ちゃたろうは一番新しい6番目の猫だ。 見た目から言うと、どうひいき目に見ても、ちゃたろうに分がある。 夫など、ついちゃたろうを、猫かわいがりする。 クロはおもしろいわけがない。 ケンカの原因はここにありそうだ。 地域猫ミクの登場から数か月後、Aさん宅に子猫がやって来た。 名前はピューター、ピアスすら無い生粋ののら猫だ。 まずは先住猫ミクとの慎重な対面。 トイレも交換して匂いに馴れさせました。 つぎのステップでケージ越しの対面。 だが、ここで思わぬことがはっせいしました。 人なつこいミクがゲージの中のピューターを見るや否や激しい唸り声をあげて、猛然と襲いかかったのだ。 逃げ惑うピューター、何度試みても結果は同じです。 ケージから出せば、背中に咬み付く始末です。 これが数か月続き、2匹の争いはAさんを深く傷つけたのです。 無理な同居より里親を見つけた方がいいのか。 だが、どちらも大切な家族です、手放すなど考えられない。 こうして1年間、2匹の家庭内別居が続いた。 「クロちゃん、最近、ちゃたろうをいじめないね、偉いぞ」 。 猫なで声でブチをほめる夫。 耳を折りながら迷惑そうに聞いているクロ。 実は、これこそ相性改善方式「未遂行為事前ほめほめ作戦」なのだ。 例えば、いつも玄関で粗相する猫がトイレできちんとしたら「えらいトイレでして」とほめるだろう。 だが、この作戦は「すごい!・まだ玄関でしてないじゃない」の事前持ち上げ方式なのだ。 「うそ」と、呟いたあなた、ぜひ試していただきたい。 わが家はこれで、はっきり「ちゃたろうークロ」つきそうなのだ。 さて、問題のA邸にはピアスを付けた救世主が現れた。 最近、わたしとAさんは「地域猫」運動に参加している。 その1匹がいちごというメス猫だ。 しばらくAさん宅で面倒をみることになった。 問題は、勿論ミク嬢だ。 2匹を対面させたところ、彼女はぴくりとも動かず、攻撃する気配もない。 一目置いてるのか、ただ苦手なのか。 時が経つと、いちごの存在はもうひとつ変化をもたらした。 ミクがピューターを気にしなくなったのだ。 近づいても、寄り添いこそしないが唸らない。 そして、この微妙な緊張関係が続いたある日、Aさんが寝室に行くと、なんということだろう、ベッドの上と下で3匹がぐっすり眠っているではないか!。 ベッドの「上と下」という所にまだ改善の余地は残されているが、あの惨状を思えば奇跡の光景だ。 あんなに争っていたのに、たった1匹の登場が、かくも簡単に平和をもたらしたのである。 Aさんが2個目のピアスを外したのは言うまでもない。 さて、わが家のブチ、最近、ちゃたろうの隣で仲よくご飯を食べている。 猫もおだてりや木に登るなんて、登るのはキャットタワーか本箱の上、そこへ救世主が登場し、A家に平和が訪れたのです。 いちごちやんは、A家の救世主。 毛色はチョコレート色、瞳はアーモンド形で実に美しい。 性格も穏やか。 ミクちゃんとピューターくんの2匹の争いを簡単に解決。 A家に平和をもたらした。 A家の食事タイム あんなに争っていたミクちゃんとピューターくんがいっしょにご飯を食べる日がついにやってきた。 そこには、救世主、いちごちゃんの存在がありました。 日本のネコに野生猫の魅力 日本のネコに野生猫の性格 日本のネコに野生猫への接し方 |
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