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褐葉を起こす色素は、タンニン系の物質で、アントシアンと同じく、糖分が変化して、あらたに伯り出されるものであるとされています。 そして、褐葉といっても、その色 調はさまざまで、これは、すでに説明したような紅、黄葉現象を起こす、アントシアンやカロスチノイドが同時に関係しているためと考えられます。 また、作り出されるタンニン系の色素の多少によっても、その色調に変化が生じることはいうまでもありません。 美しい紅(黄)葉が起きるには 以上、紅葉や黄葉現象が起こる原因について説明しましたが、それでは、どういった条件にあるとき、美しい紅葉や黄葉が見られるのでしょうか。 まず、紅葉では、多量にアントシアンが生成されることです。 黄葉では、急激に葉緑素が分解されれぱ、美しい紅葉、あるいは黄葉になることは、これまでの説明からもうなずけます。 したがって、秋になって、葉の機能が衰えつつも、日中は十分に日光に当って光合成が活発に行われ、炭水化物(糖分)をできるだけ多く葉に蓄積させ、 一方、夜間は、気温が 低くなって、呼吸作用が抑制され、蓄積された炭水化物(糖分)の消耗をできるだけ少なくし、また、離層の形成が進んでも葉が枯れにくいように空中温度が高い状態にあること が美しい紅葉を起こすための条件といえます。 そして、秋になっても、気温の低下が顕著に現われないときは、葉緑素の分解が急激になされないために、美しい黄葉はもちろん、美しい紅葉も期待できないことが、理論的には説明されます。 |