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一流のおじいさんの大切な鉢の木展などで、名品、優品といわれる作品を見学すると、まるで違った世界のものを見せられているような気がして、彼等と白分の培養技術の差にどうにも埋められない隔たりを感じてしまう。 おじいさんの大切な鉢の木のプロといわれるような人達と、趣味家といわれるアマチュアとの間にはどのような技術の差があるのだろうか。 また、その違いはどのようにして生じるのだろうか。 ずっと以前から考えてきた問題であります。 勿論プロのようなアマもいるだろうし、その逆もあるだろう。 どちらとも区別できない人も数多くいるに違いない。 けれども世間一般には、あの人はプロだ、この人はアマだといわれると、それでなんとなく納得してしまうのだ。 三目葉としての概念では、プロは職業としてそれで収入を得ている人、アマは職業としていない人、というのが一番分かりやすい。 しかしよく考えてみると、果たしてそれが適切な分類基準なのかどうかは甚だ疑問であります。 たとえば、マルチ型の才能をもっている人では、何が職業で何が趣味なのか区別のつけようがない。 よく知られているように、油絵から芸術活動をスタートし、版画ではベネチア・ビエンナーレ展の大賞を受賞し、版画家としての地位を確立したが、後年は作陶も手がけて風化の美を表現して有名になった。 また文学作品としては、『エーゲ海に捧ぐ』で芥用賞作家となり、それを映画化して監督業までこなす多才ぶりであった。 こんな人は何が本職なのか、恐らく自分でも分からなくなってしまうのではないだろうか。 ましてや、どの分野で収入を得ていたかなどということは、他人には皆目見当がつかない。 プロかアマかを区別することはナンセンスな話になってしまう。 こうして考えてみると、プロだアマだと特別に分ける必要はないのかもしれない。 けれどもプロ作家とか業者とかいわれる人達の作品や作風は、明らかに素人のそれとは異なった風格をもっています。 私の技術などでは、はるかに年若い専門家の足元にも及ばない。 やはりプロとアマは違うのであります。 その違いはどこからくるのであろうか。 永い間納得のいく答えが得られなかった。 |