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このままではとてもおじいさんの大切な鉢の木とし しかし前述の真柏の特性から、この直線的な徒長枝を白由に曲付けすることが可能であれば、話は別であります。 通常、ここで示した手繰りの技法は他の樹種ではごまかしの技法として嫌われる。 しかし真柏ではこの技法の採用は許されるのであります。 かといって写真のような極端な曲付けは、いかに幹に粘性のある真柏といえども、そう容易ではない。 ことに写真の素材はかなりの太さをもつ徒長枝であります。 単に太い針金をかけてもそう容易に曲げられるものではない。 部分的に幹に割を入れることによって曲げやすくする工夫が施されています。 樹に加わる負担はかなりのものが想像されるが、真柏にはそれに耐える強靱な樹性が備わっているのであります。 いずれにしてもこうした技法は一種の荒枝であり、素材作りのプロの技であるから、趣味家がすぐに真似できるものではない。 あくまでも真柏の特性を知るうえでの参考にしていただき、樹形づくりに応用されたい。 |