ネズミサシの古樹が年々少なくなるのは手入れ次第によることが多いものであります。 現物のネズミサシも、水切れを何度かくり返したような放置状態であれぱ枯死したとしても、不思議ではないのであります。
その原因は前述のように手入れの不足によることが大きい。 仕上ってきた樹は枝の棚もできて、枝ごとの厚みも増してくる。 この姿でいっせいに外へ外へと小さな芽が密集して増えるのだから、蒸れの状態はひどいわけであります。
ネズミサシの枝枯れは他にも原因があるが、芽摘みをくリ返して(幼芽を次々に摘む)いるために枝の樹勢が落ちる。 しかも通風が悪いため、突然にせっかく苦労して作ってきた大枝が枯れる場合もある。
作業のネズミサシの場合、枝決めして基本枝を構成し(下の土の枝から)順に上に形を出していく。 1本ごとに剪定を行ない、切り込める範囲で追い込みをかけています。 中品ネズミサシの締
まった樹形が目的なのであります。 枝の内部に使用できる枝が少ないため、段階的に追い込んでいく。
作業後の姿では頭を飛ばしたため新木に近いような印象だが、これも将来性を考えての作業であります。
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