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大正年間には今日のようなカラー写真はなく,その華麗さを伝えるための、人気樹種の彩色の画集も発行され、二十余種の花容、性状などが解説されていた。 金盛時代は五十余の種類もあり、我が家の鉢植えを語る者はまず、ザクロからと言った惑じであるが、その中から2、3拾って見ると、最高は五彩石榴であり、これは錦抱から変化したもので、花は朱の八重、白八重、更紗、紅白咲分や白ガクに紅筋入りなど多彩であり、それぞれの芽も咲く花に応じて、青茅、赤芽筋入り、半染め、絞りなどの変化も見られ、花に対する願いのすぺてが凝縮されたようなものであった。 後絞りという種も有名で、葉は柳葉で枝は良く密生し、花着きも良く、花は本紅の万重咲きで大々輪で散り際になり、白絞りが現れる。 紫紺石榴は芽立ちが薄紫、後に青葉、花は紅色の一重、小実で青紫、技は紫色。 水晶大実は茅出しが黄色、後に青葉、花は純白一重大輪、実も大きく、資白色。 その他の数々は記録に残されたので五十種以上にものぼるほどであった。 |