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また一方で、できの悪いこどもほど可愛いというのもある。 できの悪いこどもでも、何くれとなく世話をすれば、いつの日かいいこどもになるかもしれない。 そんな望みを抱きながら、作る。 これが世話のかかる樹種であれば、なおさらその気持ちがつのるものだ。 たとえば、黒松などがそうだ。 芽切りなど、作業をすることが多く、手間をかけなくてはいけない。 だが、同じ松でもゴヨウマツとなるとちょっと違ってくる。 黒松に比べ、作業も少ない。 大型のゴヨウマツはそうでもないが、中型や小品は、芽が黒松のように増えてくれないからと、うちすてられることが多い。 特に小品は、枝がのびてくれない、思い通りに芽が揃ってくれないから、培養が難しいと結論づける人も多い。 しかし、結論を急ぐのは、早計である。 こどもの教育は時間がかかるが、それなりの処置をほどこしてやれぱ、りっぱに立ち直る。 そのこどもの欠点ばかりを見つめていては、よい方向へと導くことはできない。 きちんと指導すれば、時には欠点も長所となることがある。 その実例をゴヨウマツで紹介してみよう。 葉の少ないゴヨウマツを、一年後には八ツ房と見違うほどの葉数にする方法である。 これは中品や小品に効果的な方法と氏は言った。 1行の重み。 |