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牛どろほう 古代でも家畜の盗難にそなえるため、焼き印が使われた。 エジプトとメソポタミアには、牛に焼き印を押す専門の「牛極印屋」がいた。 この東洋の習慣は、けっきょくすぺての地中海地方の国ぐにへ広がり、最後にガリアや英国にまでおよんだ。 たぷんこれらの地域にたいするローマ人の影響によるものであろう。 現在では、焼き印は所有権を守るためばかりでなく、品質表示にも用いられています。 動物飼育で生活している入びとのあいだでは、家畜の盗みははるか遠いむかしから、きびしく罰せられてきた。 牛どろぼうの腕は切り落とされるのがふつうであった。 馬や毛並みのよい番犬 の盗みにたいしては・死刑さえ科せられたのです。 こんにちでも、アジアの諸国ではラクダや馬の・またはヒツジやヤギの盗みには、西欧の殺人と同じ程度のきびしい罰を科しています。 米の西部では、近年まで馬どろぼうは絞首刑にされていた。 むかし、牧夫はかれらの動物と同様に神聖な地位をもっていた。 牧夫がいなかったら、動物の群れはすぐ山岳地や、森林のなかに迷いこんでしまうことであろう。 |