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「細いヒツジの腸はバイオリン、ハープやそのほか多くの楽器や道具の弦に利用される。 一本の弦には・少なくとも二本の覇瓢をより合わさなければならない。 采の腸線だけでは、弦はつくれないのです。 ベース・バイオル[チェロに似た楽器]の太い弦のように、一〇本、二〇本、そして一〇〇本もの腸線でつくられた弦もある。 高音のマンドリンの弦には二本の腸線が、バイオリンのもっとも細い弦には三本の、そしてもっとも太い弦には七本の腸線が、また大型のべースの弦には、ふつう一二〇本の腸線が使われる。 子ヒツジ、ヤギ、ネコや子牛の腸線は、いずれも弦になる」 この時代には、ヤギもヨーロッパの多くの国において、経済上の重要な要素であった。 ラフは次のような酬㌦脚.軟を紹介しています。 「ヤギの革は、半ズボンや財布や袋ものなどをつくるのに適しています。 コードバン革や羊皮紙も、ヤギ皮でつくられる。 紳士や貴婦人用のたいそうきれいで薄手の白、青、緑、紫、赤などに染色された手袋で、いわゆるチキン・レザー[ひなどりの革]とよばれているものは、実際にはヤギ皮からつくられる。 かつらは長いヤギの毛でつくられる。 この毛は、必要に応じてつむぎ糸にし、小アジア地方でアンゴラ・ヤギの毛が利用されているように、布に織ることもできる。 この地方のヤギはキャメル・ゴート[ラクダ・ヤギの意]とよばれ、あらゆる種類の衣料を 織ることができる」 ヤギの飼育は、近年いちじるしく少なくなりました。 |